義母のためのバリアフリー
痒いところに手の届く配慮をすれば手摺りだけでも自立を引き延ばせます。
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義母のために設置した手摺りを紹介します。同居している義母も八十歳を超え、老化が進んで来たので、あちこちに手摺を取り付けました。先回りして付けることが健康を維持します。私は自分で設置しましたが、介護保険で手続きすれば面倒なく行えます。
手摺りを取り付ける場所は、義母の考えでは無く、私の判断で必要な箇所を考えて取り付けました。高齢者は想像力が衰えているので、どこにどのようなものが欲しいのか自分では判断できません。高齢者になった積もりで必要な箇所や高さ、向きなどを考えれば良いと思います。
●浴槽手摺
夏場にシャワーだけで済ませていたら、冬場に浴槽をまたげなくなったので、取り付けました。このタイプの手摺りが使い易いと思います。
●一階〜二階の階段手摺
義母は当初二階に居たので、最初に取り付けた手摺です。支持点を移動できるタイプだと、下地強度の弱い場所を避けて取付できます。その後義母は一階に移ったので、今では自分達の昇降の役に立っています。
●下地探査針
下地位置を調べる器具です。壁に押しつけると針がささり、その感触で下地の有無が分かります。五百円程度のものです。下地はだいたい30cmか45cmピッチ程度にあります。見つけた下地箇所はテープなどで目印を付けておきます。
●階段上がり口手摺
階段上がり口直交部分に手摺りがなかったので追加しました。ちょっとした手摺りの欠損でも老人には危険です。
※このタイプの手摺りは支持部が両端に固定されているため、下地位置に合わせることが出来ません。スライド出来るものが良いでしょう。
●門扉部石段追加
新築当時の設計が悪く、一段目の段差が大きかったので一段追加しました。ホームセンターで買った敷石を使用しました。据付はプレミックスタイプ(セメント+砂)のモルタルを敷いた後、少し水を掛け、最後に石を載せる方法としました。水ではなく、セメントを水で溶いた”セメントペースト”を流すと接着が確実になります。
●外部階段手摺り
外部の階段が急なので縦横の手摺りを取り付けました。自分ではアンカーを打てないので
既存アルミ手すりに板を被せて、そこに金属パイプを取り付け、取っ手にしました。
パイプは握った時回転しないよう、回転防止タイプとしました。義母の評価は上々でした。これのお陰で義母は衰えても一人で外出できています。
●玄関上がり框部手摺り
上がり框の段差を上がり降りするための手摺りです。斜めだと引き寄せて上がれます。ステンレスパイプはホームセンターでカットしてもらいました。ワンカット50円ほどです。
●廊下手摺り
多少高さに問題があっても、あれば安心感があります。
●トイレ入り口手摺り
トイレのノブを回すときつかまる手摺りです。
●トイレ内手摺り
便座から立ち上がるための手摺りと、ドアノブを回すときつかまる手摺りです。便座から立ち上がるための手摺り位置は、縦横どちらが良いか自分で確かめながら、力が入りそうな位置に取り付けました。
●風呂入り口手摺り
風呂のドアノブを回すときつかまるためのものです。
●部屋入り口手摺り
部屋のふすまを開けるときつかまるものです。
●布団サイドの手摺り
布団を使っているので、ふとんの上を歩くとき、転ばないよう取り付けました。
●布団頭部の手摺り
布団に入るときや立ち上がるとき使えるよう頭部壁に取り付けました。上下に伝いながら使えるよう、縦に取り付けるのが良いと思いましたが、頭にぶつけるといけないので、上方に水平に取り付けました。使わないかと思っていましたが、役に立っているようです。
●食卓上手摺り
食卓周りでつかまるものがないため、食卓上に取り付けました。最初は女房・娘から不評でしたが、義母は食卓横を通るときや椅子に座るとき良く使っています。なお、写真の椅子は軽くて、つかまったとき安定が悪いので、重めの椅子に取り替えています。
●門扉前手摺
門扉の開閉時に掴まらずに立っているのが難しくなったので門扉前に手摺を取り付けました。
●キッチン改修前
居間の畳敷の段差が危険なのと、キッチン前が狭くて誰か一人いると、義母がすれ違うのに危険になったので改修することにしました。
●キッチン改修後
使い易いキッチンになりましたが、残念ながら変化の嫌いな義母は2m程ほど遠くなった食卓まで行くのを嫌がりました。この改修は結構お金がかかりましたが、急いでいたこともあって介護保険を使わないで改修しました。
■その後
キッチン改修後数ヶ月で義母は急速に衰えが進み老人ホームに入居しました。両親のときのことがあったので”点滴はしない!”と言うことを明確にして入居しました。ホーム入居後しばらくすると食が進まなくなり、その後水分も摂らなくなったので思っていた以上に早く衰弱が進みました。
看護師は「点滴をすればもっと生きられる」と入院をしきりに迫って来ましたが、
点滴液に溺れる状態にされた上に(普通は輸液過剰にされる)、拘束されて生かされても仕方ないので、衰弱に任せる方を選び、そのまま亡くなりました。90歳でした。
ヒトは何も食べられなくなると意識がもうろうとして来て、穏やかに死ねるそうです。医療のない時代はそれで上手く死ねました。義母は既に十分高齢なので私達はそれが良いと考えました。これまでも励まし励まし、ギリギリまで引っ張って来ていたせいか、あっけない最後でした。あれこれ我が儘を通し、まずまずの人生だったと思います。
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