老親への小さなバリアフリー
父母の衰えに先回りし、ほんの少しづつ小さな工夫・改善を行いました。離れて暮らしている場合、小さな工夫を切れ目なく行う方が老人に安心感を抱かせます。
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母の遠距離介護五行歌…詩のみ
父の遠距離介護五行歌…詩のみ
まず受け止める
高齢の父母には
してやれることが
なぜ女房、子供に
してやれないのか
体が弱ると自分のお尻を拭けなくなる可能性があるのでウオッシュレットを取り付けました。呆ける前に操作に習熟していないといけません。なるべく早く設置すべきです。設置済みなら普段から使う方が良いでしょう。暫くすると、トイレに介護スペースがないのが問題になって来ました。冬場には膝の力が落ちて便座に座れないときがあり、狭い便所の中で抱きかかえて座らせるのは大変なことになりました。介助者も入れるスペースが必要です。汚れ物洗い用シンクがあれば最高です。
老親への思いが
知らぬ間に
導く
小さな
バリアフリー
風呂も便所改修と同じ頃に改修しました。湯沸かしは老人でも操作が簡単なよう、追い炊き無しとしました。追い炊きがないと湯が冷めて不自由ですが、老人には操作が簡単なことが一番です。改修当初は気にしませんでしたが、介助が必要になると洗い場が狭く、ドアも内開きで扱いにくいため、引き違いか外開きが良かったと思っております。湯船に入れなくなれば浴槽を諦めて、腰掛けて全身にシャワーができる"the・シャワー"も良いかと思います。
玄関の三段の階段を四段で少し広い階段に変えました。2×4材をホームセンターでカットしてもらいボンドで接着しました。手摺りも取り付けました。最初の頃だったので、父は「必要ない!」と猛反対で、着手まで時間がかかりました。訳が分からない反対に出くわすのが老人問題の難しいところです。出来上がってみると階段は大変役に立ちました。母は気安く庭に出て花を眺めたり、父に促されて洗濯物を取り込むことが出来るようになりました。
親の老いで
「心」のふるさとが
「心労」のふるさとに
突然変異
する
和室敷居と廊下に十五ミリ程度の段差があるため、その解消に500*500ミリのタイルカーペットを敷きました。まだ5ミリほど段差がありますが、当面は支障ないようです。
居間の掃き出し窓の隣地地盤が低く、窓から落ちると怪我をする恐れがあったため、手摺りを取り付けました。既成の手摺りだと高価なのでL型金物と角材を組み合わせて手摺りにしました。ツーバイフォー材を工夫して使うと、簡単にできます。一本の手摺りでも安心感が違います。
台所と廊下の床など家の中の数十ミリの段差を解消するためベニヤ板でスロープを造りました。以前母が滑って転倒したことがあったので、表面に滑り止めテープを貼りました。
お風呂や家のあちこちに、立ち上がるための手摺りを取り付けました。パイプ棚用の太手のパイプを手摺りに転用しました。ベッドの脇などにも取り付けました。しかし体力の衰えは手にも出るため、力が入らず役に立たないことが多く、「体の衰えとはこういうものか」と納得させられると共に、この先どうしたらよいのかと暗い気持ちになりました。
室内ドアの握り玉をうまく扱えなくなったため、握り玉の機能を停止し、ドアを閉めると磁石でドアが固定されるようにしました。磁石が強すぎるので、表面にガムテープを貼って、接着力を低減しました。
古い家で居間の天井が暗く、いかにも気分が暗くなるため、天井の表面にクロス状仕上げの化粧合板を張りつけました。一人で上を向いて板を取り付けるのは大変な仕事で、思っていたよりずっと手こずりました。完成すると家の中が明るくなり、気分も明るくなりました。
・・・私が一人で四苦八苦していても、気を利かして手伝いすることができなくなった父に、父の更なる老いを痛感しました。なお痴呆の人が居る場合、大きな改修は痴呆の混乱に拍車を掛けるので要注意です。
台所の窓の木製サッシの開閉が不自由で締め切ったままとなっていたため、アルミサッシに取り替えました。開口部の寸法さえしっかり測定すれば見かけよりはずっと簡単に取り替えできます。自分でも驚きました。
夜間少しでも明るくなるよう照度の大きな蛍光灯に取り替えました。天井に光が抜けるタイプだと家の中が明るく感じます。冬の夜など父母とも19時前後に就寝し、家の中が暗いと本当にわびしい気持ちになります。慌ただしく遠方から帰郷していても、父母と話し合う時間もありません。
蛍光灯の常夜灯を消してしまうことがあって危険なため、人感センサーライトを玄関、便所、台所に取り付けました。安全性は増しましたが、向こう側に明るい箇所ができたので母は「向こうに誰がいるのかねえ?」と気になるようです。ライトは夜の安全と心細さの緩和に役立っております。
古い家で作りが悪いため夜は大変に寒くなります。そのため便所の暖房を考えましたが、床に置くタイプだと便所で倒れたとき危険なので壁付けの赤外線ストーブを取り付けました。便所のスイッチと連動して点灯するようにしました。便所だけでも暖かいと、便所に行くのが楽になりました。
居間のカーテンはブルー系の濃い色でしたが、冬の夜などにあまりにも心細い感じがするので明るいものに取り替えました。また、レースのカーテンも取り替えました。明るくなると介護する側に多少なりとも安心感が出ます。
暗い感じを払拭するため、時々障子を新しく張り替えて暗くならないようにしています。
風呂の段差を小さくするため、木材ですのこを作りました。しかし、木製のためカビが生えて非衛生となったため撤去しました。最終的には、厚手のプラスチック製すのこにしました。段差解消の必要が出たときは二枚重ねて使用する積もりです。
熱いお茶の好きな父はその都度お茶を沸かさないと気が済まず、電気ポットを買っても使いませんでしたが、やっと使うことに同意しました。言い出してから5年ほどかかりました。ポットは背が低くお湯が跳ねないもの、またボタンが見易く、押しやすいものにしています。
その後またガスコンロを使っていましたが、「危ないから、どうだろうか?」と父に聞いたところ、電気ポットを使うのに同意しました。これは良かったと、以前のポットを取り出したら故障していました。仕方なく押しボタン式の単純なものを再度購入しました。(※その後また使っていませんでした。本当に思うようにはなりません。)
母は痴呆の症状が出ると自分で薬の管理ができなくなり、目を離すと何度も飲んでしまうようになってしまいました。薬を父の管理としましたが、朝・昼・晩と多数の薬を管理するのは健康な人でも面倒です。
薬箱は色々試した結果、冷蔵庫の製氷皿にマジックで曜日を書き込んで分けるようにしました。底が滑らかなため、老人にも比較的取り出し易く、分けて入れるのも簡単です。3箱に分けて管理しました。最近ではダイソーに同じアイデアのものがあります。
母は薬のせいか、ぼーっと歩くため、庭の小石などにつまずくことのないよう、砂利などをこまめに取って整地を心がけました。
畳からのほこりを防ぐ意味でベッドにしました。当初町からベッドを借りる積もりでしたが、父が「亡くなった人が使ったものをおばあさんのために使うわけにいかない」と頑強に拒むので、簡易ベッドを購入しました。老人は、思わぬところで反撃が出るので面食らいます。
腰が痛いのと力がなくなったのとで、とうとう自力で起きあがれなくなったので、簡易ベッドから電動ベッドに替えました。"これで解決"と思っていたら、腰がひどく曲がっている母は、機械が強制的に起こすのに腰が耐えられなくて、結局機能を活かすことはできませんでした。また、痴呆が進んで操作を覚えることができませんでした。父がベッドを借りることに同意するのに二年かかりました。
椅子からうまく立てなくなったため座面がやや高く、立ち易い椅子に替えました。長時間の座り心地の良さと、立ち易さとを両立した椅子はなかなか無いようです。母が亡くなった後は父がこの椅子を使っておりますが、楽な椅子に慣れて畳に座る筋肉が弱ってしまったようです。
父が、ガスの消し忘れを度々起こすため、コンロを替えました。電磁式コンロも考えましたが、かえって火傷の危険があると思って過熱防止装置付きコンロとしました。使ってみると、老人向けなのに「チャオ」と表示してあったり、操作性は中途半端なものです。高齢者本位のものを開発して欲しいものです。
父の難聴が進み、テレビのボリュームがどんどん上がって、周りの人は会話ができないため、父の耳元近くでテレビの音が聞こえるようスピーカーを取り付けました。強度の難聴になると、家族とのコミニュケーションは本当に難しくなります。こちらが大声で合わせないと上手く行きません。
電話の機能が複雑過ぎて、誤ってボタンを押して留守番電話のままになったりすたるため、押しボタンの上にプラスチックなどを貼付けて必要ない箇所を押せないようにしました。 ディスプレイが大きい高齢者向けの単機能の電話が望まれます。インターネットの常時接続料金が下がれば、テレビ電話を常時接続にして生活感を共有できるのにと思います。
父の難聴が進み聞き取り困難になって来たので、骨伝導でしかも両耳でも聞ける「福みみホン」を購入しました。両耳で聞けるので、比較的良いような感じがしましたが、ボリュームの絶対値が小さめで、使用出来ませんでした。
次ぎに購入したのがやはり骨伝導タイプです。これは普通の電話機と組み合わせて聞くようにするつもりでしたが、とっさに操作できず、また会話は聞き取りにくいと言うことでやはり使っておりません。但し、有線放送を聞くのには役立っているようです。
現在使っている骨伝導タイプの電話機です。これでも会話の内容を聞き分けが難しいようです。両耳タイプがあれば違うのではないかと思います。ファックスで事前に情報を伝えておいて電話すれば最低限の意思疎通は可能です。骨伝導は耳下の骨で聞きますが、父は耳に当てており聞きづらいようです。普通の電話でボリュームを最大に固定できるものが出来れば良いと思います。
母の病気が呼吸器系と言うことと、風邪への対策としてカテキン効果のある空気清浄機を取り付けました(後には排気ガス対策でプラズマで有害物質を分解するタイプに変更)。
東名高速に近いし、国道に面しているので浄化用に設置しました。フィルターは直ぐに真っ黒になります。恐るべき空気の汚染です。早く使うべきでした。
母が老人施設に入居し、父一人になってしまって、暗くなってから帰宅すると寂しいだろうと思い、玄関の外側にもセンサーライトを取り付けました。赤外線で感知して照明が点灯するものです。自動的に点灯してくれると、心強い気がします。また鍵の開け閉めも容易となります。防犯の役にも立ちます。これで屋外に4個、台所に2ヶ、物置・玄関・廊下に各1ヶ、計9ヶになりました。
民生委員の尽力で、非常通報装置を設置してもらいました。何かあったときボタンを押すと登録した場所に連絡が来るようになっております。このシステムでは、一ヶ月に一度、センターが安否確認のためブザーを鳴らします。しかし父は耳が遠いので気づきません。逆に東京の私の方に安否確認して来るという有様でした。このシステムが活かされることは一度もありませんでした。
父が「どこで倒れても良いように携帯を持ちたい」と言うので、"安心だフォン"を買いました。これは子供が家族との連絡用に使用しているものです。基本料金は安いし、間違った場所に発信する心配はないですが、機能が複雑でボタン表示も小さく、年寄りには使えないものでした。超高齢者用の単機能の携帯が望まれます。
前から気になっていましたがなかなかできなかったのがコンロ裏面の延焼防止です。やっと天井用石膏ボードの余りを貼付ました。天井部は二重貼りにする積もりです。
台所が暑いので換気扇を追加しました。手の届く位置になったので、間違って換気扇に指を突っ込むと危ないのでガード用の板を取り付けました。
最近、サッシのクレセント(錠)部のガラスに穴を開け、ドライバーで解放して戸を開ける泥棒が増えています。今日はその対策にプラスチックの板を貼って、穴を開けにくくしました。気休めですが対策が分かって良いかなと付けました。
田舎と言えども物騒なのと、インターホンの音に気付かないことが多いので、テレビ付きインターホンに替えました。テレビが点灯するため、多少は気づきやすくなると思います。もう少し良く聞こえる時期なら、庭木に来る鳥の鳴き声を聞けたかも知れません。
物干しが壊れたのを機会にベランダなどで使う布団干しタイプの物干し台に変更しました。縦横高さ1.2M程度の立方フレームタイプのもので、マンションのベランダなどで使うものです。高さが低いため、老人でもバランスを崩すことなく使えると思います。早く用意すべきだったと思います。しかし今回帰郷したら、今まで通りの竿を使っており、がっかりしました。
父が腰が痛くてベッドから立ち上がれないと言うことで、急遽ベッドの高さを調節することにしました。ベッドは折り畳み形式の安価なものです。直ぐ東京へ戻らなくてはならないので、角材を敷いて高さを調整しました。
母のために絵手紙を送っていた時がありましたが、何とか父の孤独を癒して元気を出して貰うために、父にも絵手紙を送ることにしました。耳が極端に遠いのでこの程度のことしか出来ません。絵手紙教室に通いながら週1,2回出すことにしました。
冷えすぎると体に悪いので設定温度は27℃としています。また、風が直接当たらないようルーバーはテープで上向きに固定しています。扇風機も併用しています。
古い我が実家は、天井裏の換気が悪く、また断熱材も入っていないため、高温が続く最近の夏場の暑さは大変なものです。天井裏にグラスウールの粒を20CMほど吹き込む工事を行いました。暑さ寒さとも顕著に改善されました。
窓からの冷気を防ぐため、厚手の遮光カーテンに取り替えました。夜間も室内が明るく感じるよう明るい色にしました。全部遮光カーテンにすると逆に朝が遅くなる可能性もあるので、一部遮光以外のものも残しました。レースもやや断熱性のあるもの、遮蔽効果のあるものに代えました。
左足に血行障害が出て来たので、座高が低い籐椅子を買いました。もう少し低い方が良いのですが、立ち上がれなくなるのでこの高さにしました。
母の介護以来ずっと実家の内部の様子が遠隔地から分かる方法はないかと考えてきましたが、やっとWEBカメラで実現出来ました。インターネット経由で見る仕組みです。居間と台所に設置し、四苦八苦の末やっと繋がりました。様子が分かるのは安心ですが、いつ見ても孤独そうに眠っているのが分かりつらくなります。私の娘はベトナムからこの映像をチェックしていました。
自身を見守る
ネットカメラの設定で
四苦八苦している私に
「何でも勉強になるから」と
励ます父
●介護お役立ち
ドクタープラス/
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安心パートナー/
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