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五行歌とともに綴る私の遠距離介護  …私は約10年にわたって父母の遠距離介護をしました。その模様を 五行歌という詩とともに綴ってみました。
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母の遠距離介護五行歌…詩のみ
父の遠距離介護五行歌…詩のみ


 介護は、母の介護→父の介護→同居義母の介護と続きました。分かりにくい構成になっていますが、私の奮闘がどなたかの参考になれば幸いです。

 私の遠距離介護は母が突然体調不良を訴えて入院したときから始まりました。高齢の父とともに母の介護を約3年、母亡き後父の遠距離介護を約7年行いました。



   「おばあさん入院したよ」
   覚悟はしていても
   突然の
   "母入院"の父からの知らせに
   ただうろたえる



   母の入院で
   私が家を継がず
   上京したとき以来の
   父の涙に
   思わず貰い泣く


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 母は78歳でリュウマチ性の肺疾患を患い、入退院を繰り返しました。母はしっかり者だったにもかかわらず、入院のショックからか入院数日でボケの症状が出てしまいました。

 そして薬の副作用や長期の入院を繰り返すうちに生活感がなくなりました。また呼吸困難やめまいなどがあり、退院後も身の回りの小さな事以外はほとんど父に頼る生活となりました。発病から二年ほどでボケの症状が進み、物忘れや幻覚に苦しむようになりました。

 何でも母に頼っていた明治44年生まれの父は一転、介護する立場になりました。85歳でした。母の入院直後は裏の畑でよく泣いていましたが、母に代わって一切の家事をするようになりました。

 父は強度の難聴で、耳元で大声で話さないと話が通じない状態で、母がコミュニケーションを取るのが難しく、母のボケを助長した気もします。父は高齢にもかかわらず一心に母の面倒をみてくれました。母亡き後は田舎で一人暮らしをし、95歳で亡くなりました。

父母の住まい

 両親の住まいは静岡県西部の辺鄙な田舎町で、浜松駅からバスで1時間半ほどかかるところです。東京の自宅からは電車やバスを何度も乗り継いで6時間ほどかかります。

 一泊二日の帰省うち、往復時間を除いた僅かな時間に通院(片道1時間かかります)、買い出し、掃除、家のメンテ、行政への続きなどを大急ぎでこなし、また慌てて東京へ戻る生活を繰り返しました。

私たち子供

 当初、姉達と交代で面倒をみることを考えていましたが、全員が実家から離れており、またそれぞれの事情や父母の状態への認識・経済力も異なり、うまく調整が出来ませんでした。仕方がないので、私自身はとにかく毎週または隔週帰郷することにしました。

 父母の通院日に合わせ帰省するため、土曜・日曜・祭日は必ず出勤し、平日に代休を取る生活を十年続けました(幸い休日出勤がある仕事でした)。

 仕事ではこの間毎年、数億円という個人営業ノルマがあり、体力的・経済的・精神的につぶされそうになりながら介護をしました。姉達も必要な都度、帰郷してくれてました。私の女房、子供たちも状況に応じて支援してくれました。

父への対応

 母の介護では、同居している父一人に負担がかかったので、とにかく父を激励・支援することに最大限注意しました。

 高齢の父には心の余裕がないので、バックアップされていることがよく見える支援を心掛けました。無駄であっても、帰郷する度に小さな改修・改善を行い、父が安心できるよう注意しました。


 頑固者の父とのやりとりで、私が注意してきた点です。 
 ・命令をしない。…年寄りは自分の子供から指図されるのを嫌がります。
 ・常に相談するスタイルを取る。…勝手に事を運ばないで相談します。
 ・納得して受け入れるまで待つ。…意見が異なる場合は受け入れるまで待ちます。
 ・こちらが納得できないこと、無駄だと思うことも、できるだけやってあげる。
 ・結果に大差がない場合は好きなようにさせてあげる。


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   くたくたになりながらも
   また
   母と並んで
   診察を待てる喜びを
   噛みしめる

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◆老い・死生観についての書籍
 老い・死生観についての以下の書籍、いずれも素晴らしいです。老い・生・死についていろいろな示唆を与えてくれます。是非読んでみてください。


老いるということ(黒井千次)
人生の短さについて(セネカ)
日本のこころ、日本人のこころ(山折哲雄)
日本人の魂(梅原 猛)
あの世と日本人(梅原 猛)

平穏死という生き方(石飛幸三)
「自然死」のすすめ(中村仁一)
誰も書かなかった老人ホーム(小嶋 勝利)

老化と活性酸素(三石巌)
脳細胞は蘇る(三石巌)
がん放置療法のすすめ(近藤誠)
「本物のがん」で長生きする人の養生訓(近藤誠)

   老いはある日突然に
   訪れるものではなく、
   そこまで生きて来た結果として
   人の前に徐々に
   姿を現すのです
           (黒井千次)


   死は前にあるのではない
   人生の過去に属する部分は、
   既に死の手に
   渡っている
   自分の時間を生きよ
          (セネカ)


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